現代文キーワードクイズ
評論文が読みにくい原因の多くは、抽象的なキーワードの意味があいまいなことです。「抽象⇔具体」「主観⇔客観」「演繹⇔帰納」のように、対になる語とセットで覚えると文章の構造が見えやすくなります。
関連する読み物:評論文が読めるようになる「現代文キーワード」の覚え方
関連する読み物:接続語と指示語で、評論の筋道を追う
一問一答 全51問 タップで答えと解説
アイロニー
答:皮肉。わざと本心と反対のことを言う表現
アイロニー(irony)=皮肉・反語。「パラドックス(逆説)」と区別しよう。
パラドックス
答:一見矛盾しているようで、実は真理を含んでいる説
パラドックス(paradox)=逆説。「急がば回れ」もその一例。
パラダイム
答:ある時代や分野で支配的な、ものの見方や考え方の枠組み
科学史家クーンが広めた概念。「パラダイム・シフト」は枠組みそのものの転換。
アイデンティティ
答:自分が自分であるという意識。自己同一性
国家や民族など集団についても「〇〇としてのアイデンティティ」と言う。
イデオロギー
答:政治や社会についての、まとまった考え方の体系
観念形態とも訳す。歴史的・社会的な立場に制約された考え方、という含みで使われることも多い。
メタファー
答:「ような」を使わずにたとえる表現。隠喩
「人生は旅だ」はメタファー(隠喩)。「旅のような人生」は直喩(シミリー)、人でないものを人にたとえるのは擬人法。
アナロジー
答:似ている点をもとに、他のことをおしはかること。類推
アナロジー=類推。未知の事柄を既知の事柄との類似から理解しようとする思考。
ステレオタイプ
答:型にはまった、画一的な見方や考え方
紋切り型とも。偏見と結びつきやすい点が評論で論じられる。
相対化
答:絶対的なものと見なさず、他との関係の中でとらえ直すこと
「自文化を相対化する」=自分の文化を当たり前と思わず、他文化と並べて見直すこと。
普遍
答:すべてのものに共通して当てはまること
対義語は「特殊」。「普遍的な価値」。「不変(変わらない)」と書き分ける。
恣意的
答:自分勝手で、必然性や根拠がないさま
言語学では「記号と意味の結びつきは恣意的(必然性がない)」という形でよく出る。
捨象
答:共通する性質を抜き出すとき、それ以外の性質を切り捨てること
「抽象」と表裏の関係。抽象するとき、同時に他の性質は捨象される。
抽象
答:多くの事物から共通する性質を抜き出して、一般的な概念をつくること
対義語は「具体(具象)」。「抽象的」を「あいまい」の意味だけで覚えないように。
演繹
答:一般的な原理から、個別の事柄についての結論を導くこと
演繹(えんえき)⇔帰納。三段論法は演繹の代表例。
帰納
答:個々の具体的な事例から、一般的な法則を導くこと
帰納(きのう)⇔演繹。観察や実験を重ねて法則を見つける科学の方法。
弁証法
答:対立・矛盾するものを統合して、より高い段階へ発展させる考え方
ヘーゲルの哲学で知られる。対立を統合して高めることを「止揚(アウフヘーベン)」という。
形而上
答:形を持たず、感覚ではとらえられないもの
形而上(けいじじょう)⇔形而下。「形而上学」は存在や精神の根本を考える哲学。
疎外
答:人間が作り出したものに逆に支配され、人間らしさを失うこと
日常語では「仲間外れ」の意味もあるが、評論ではマルクスらの用いた「人間疎外」の意味で出ることが多い。
客観
答:特定の立場にとらわれず、誰が見てもそうだと認められる見方
客観⇔主観。「客観的なデータ」。
コンテクスト
答:文脈。また、ある事柄の背景にある状況
「コンテクストを踏まえて解釈する」=前後の流れや背景を考えて読むこと。
敷衍
答:意味や趣旨をおし広げて、詳しく説明すること
敷衍(ふえん)。記述問題の「傍線部を敷衍して説明せよ」は、言葉を補ってわかりやすく言い換えよ、の意。
自明
答:説明や証明を必要としないほど、はっきりしていること
評論では「自明とされてきたことを問い直す」という展開が非常に多い。
蓋然性
答:ある事柄が起こる、または真実である確からしさの度合い
蓋然性(がいぜんせい)。「蓋然性が高い」=そうである可能性が高い。
ロゴス
答:言葉。また、論理や理性
ギリシア語由来。「パトス(情念)」と対比されることが多い。
ニヒリズム
答:既成の価値や権威をすべて否定する考え方。虚無主義
ニーチェの思想で知られる。「エゴイズム(利己主義)」と混同しないように。
二元論
答:物事を、対立する二つの原理や要素によって説明する考え方
精神と物質、主観と客観などを分ける見方。デカルトの心身二元論が有名。
還元
答:複雑な物事を、より根本的・単純な要素に置き換えて説明すること
日常語では「利益を還元する」とも使うが、評論では「〜に還元する(還元主義)」の意味が重要。
表象
答:心に思い浮かべられるイメージ。また、何かを表し示すもの
「表象」は representation の訳語。
媒介
答:二つのものの間に立って、両者の関係をとりもつこと
「言語を媒介として世界を認識する」のように使う。
契機
答:物事が起こったり変化したりするきっかけ
「〜を契機として」の形で頻出。
所与
答:前提として、あらかじめ与えられているもの
「所与の条件」。考える前の出発点として与えられていることを指す。
虚構
答:事実ではなく、作り上げたもの。フィクション
評論では「社会制度も一種の虚構である」のような論じ方がよく出る。
主体
答:自らの意志で認識したり行動したりする存在
主体⇔客体。「主体的に考える」。
合理主義
答:理性による論理的な判断を重んじる考え方
近代を支える考え方の一つ。経済的な効率を重んじる意味で使うこともある。
相対主義
答:絶対的な真理や価値はなく、それらは立場や文化によって異なるとする考え方
自文化中心主義(エスノセントリズム)と対比されることが多い。
共同体
答:血縁や地縁などで結びついた、生活をともにする人々の集まり
評論では、近代化によって共同体が解体した、という文脈でよく出る。
ナショナリズム
答:国家や民族の統一・独立・発展を重んじる思想や運動
国家主義・民族主義・国民主義などと訳される。
グローバリゼーション
答:人・物・金・情報が国境を越えて移動し、世界の一体化が進むこと
文化の画一化を招くという批判とセットで論じられることが多い。
メディア
答:情報を伝える手段・媒体
新聞・テレビ・インターネットなど。「メディア・リテラシー」は情報を読み解き活用する能力。
カタルシス
答:悲劇などを見ることで、心の中のわだかまりが解消されること。浄化
アリストテレスが『詩学』で悲劇の効果として述べた。
モチーフ
答:芸術作品の中心となる題材や主題
「動機」と訳されることもある。
ジレンマ
答:二つのうちどちらを選んでも不都合が生じる、板挟みの状態
「トリレンマ」は三つの選択肢の場合。
アナクロニズム
答:時代錯誤。時代の流れに合わない考えや行動
ana(逆に)+chronos(時)から。
ヒエラルキー
答:ピラミッド型の階層秩序
対照的な概念として「ネットワーク(網状の関係)」が挙げられることも多い。
バイアス
答:考え方や判断の偏り。先入観
「認知バイアス」は人間の思考に生じがちな偏り。
畢竟
答:結局。つまるところ
畢竟(ひっきょう)。「畢竟、人間は孤独な存在である」。
端的
答:はっきりと、要点だけを示すさま
「端的に言えば」=手短にずばり言えば。
換言
答:別の言葉で言い換えること
「換言すれば」=言い換えれば。後に筆者の主張がまとめられることが多い。
遍在
答:広くあちこちに行き渡って存在すること
遍在(へんざい)の「遍」はあまねく。同音の「偏在」は偏って存在すること。
偏在
答:ある場所や一部にかたよって存在すること
偏在(へんざい)。「富の偏在」。同音の「遍在」と正反対の意味。
象徴
答:抽象的な観念を、具体的な物や形で表すこと。シンボル
「鳩は平和の象徴」。
ほかの分野
漢字の読み 書き取り・同音異義語 四字熟語 慣用句・ことわざ・故事成語 敬語 対義語・類義語 意味を取り違えやすい言葉 古文単語 文学史 総合ランダム